あなたは「間男」という言葉をご存じですか?
男女の不倫や浮気のエピソードに、時々登場する言葉ですよね。
なんとなく分かるけど、はっきりとした意味は分からない。
そんな人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、間男の読み方や意味、語源などの情報を、まとめて紹介していきます。
間男とは何者なのか?
妻の不倫相手のことを間男と呼ぶような気がしますが、正式にはどうなんでしょうか。
そこで、広辞苑を元に、以下の点について詳しく解説していきます。
- 間男の読み方
- 間男の意味
- 間男の語源
- 間女という言葉はあるのか?
間男の読み方
間男は「まおとこ」と読みます。
ま‐おとこ【間男・密男】
引用:「広辞苑 第六版」(岩波書店)
また、省略して「まお」と読んでも間違いではありません。
ま‐お【間男】
「まおとこ」の略。
引用:「広辞苑 第六版」(岩波書店)
間男の意味
間男には2つの意味があります。
- 夫のいる女性が他の男性と肉体関係をもつ行為
- 夫のいる女性と肉体関係をもつ男
①夫のある女が他の男と密通すること。またその男。
②情夫を持つこと。男女が私通すること。
引用:「広辞苑 第六版」(岩波書店)
不倫相手の男性のことだけではなく、行為のことも間男と呼びます。
- うちの嫁が知らない男と間男していた
- 妻の間男に慰謝料を請求した
このように使うわけです。
現在は不倫や浮気という言葉を使うので、「間男する」とはあまり言いませんね。
間男の語源
間男の語源は諸説あります。
- 夫と妻の間に入ってくる男
- 夫が留守の間に家に入ってくる男
- 妻を奪う悪魔のような男(魔男)
現在、有力で最も浸透しているのは、①の説です。
「夫婦の間に入ってくる男性」からきたとする説が浸透している。
引用:日本語俗語辞書
夫の留守中に、家で不倫をしていた元アイドルがいましたね・・・。
間女という言葉はあるのか?
手元の広辞苑には、間女という言葉はありません。
妻のある男性が、他の女性と密かに肉体関係をもっていても、間女するとは言わなかったようです。
ただし、辞書によっては掲載されているものもあります。
名](スル)妻のある男が、他の女と肉体関係をもつこと。また、その相手の女。
引用:goo辞書
間男と正反対の意味ですね。
現代は、男女問わず浮気や不倫は許されるものではありません。
しかし、歴史的に、既婚男性が他の女性と肉体関係をもっていても、お咎めなしとされる風潮がありました。
このような男女不平等の時代背景からも、間女という言葉は、一般的ではなかったのかもしれません。
なお、まったく違う意味で、間女(あいのおんな)という言葉もあります。
あい‐の‐おんな【間の女】
茶屋女でもなければ遊女せもない、どっちつかずの女
引用:「広辞苑 第六版」(岩波書店)
これはこれで、インパクトのある言葉ではありますが・・・。
間男はいつから使われている言葉なのか?
間男という言葉は、いつから使われるようになったのでしょうか。
- 平安時代
- 江戸時代
- 現代
それぞれの時代で、どのように使われているのか、詳しく見ていきましょう。
平安時代
調べてみると平安時代に、既に間男という言葉が使われていました。
今から約900年以上前に成立した「今昔物語集」の中に、間男が登場します。
若き女主の法師の間男を持ちたりけるを
引用:今昔物語集 第26巻
私は、江戸時代頃に間男という言葉が生まれたと考えていましたが、なんと平安時代に間男がいました。
平安時代の男女関係は、現在よりも、ゆるゆるです。
平安時代では、やはり男は多くの女の元へ通うのが常識であり、一人の女性しか愛さない男は真面目人間として軽く見られた。しかし人の妻を奪うことは非常識とされ、世間の非難を浴びた。
引用:Wikipedia
とは言え、間男に関しては冷たい目で見られていたようですね。
江戸時代
江戸時代になると、庶民の間で間男という言葉が普通に使われていました。
有名な古典落語には、間男を題材にしたものがあります。
- 風呂敷間男
- 紙入れ
- 茶漬間男
どの話も、間男にまつわる、ちょっと間抜けな旦那の話です。
また、当時生まれたことわざにも、間男が登場します。
「貞女立てたし間男したし」
女性は、貞操を守ろうという気持ちとは裏腹に、浮気したいと思っている、という意味です。
様々な記録に間男が使われていることから、一般的な言葉であったことが分かります。
いつの時代であっても、現在同様、不倫や浮気があったということですね。
なお、江戸時代の不倫は命がけです。
不倫に対する処罰ですが、江戸幕府の定めた「御定書百箇条」には「密通いたし候妻、死罪」とあり、「密通の男」(不倫相手)も死刑とされていました。
さらにスゴいのは、浮気された夫は、妻とその相手を殺しても「構い無し(罪を問わない)」と、私刑(リンチ)を許していることです。
ただ、浮気をした夫を罰する定めはありませんので、男女不平等な時代ですね。
女性の浮気に厳しい風潮は、明治31年に一夫一妻制が成立するまで続きます。
(重婚の禁止)
第七百三十二条 配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない。引用:引用:e-Gov
現代
現代は、不倫や浮気、愛人という言葉が使われるようになり、間男を見かける機会が少なくなりました。
また、男女を問わず、不倫や浮気は許されないものという貞操観念が根付いているため、間男という言葉が合わない側面もあるでしょう。
「不倫は文化だ」などと公言すると、非難の的になってしまいますからね。
現在でも、時々、間男という言葉を使っている場合があります。
間男に社会的制裁したいです。力貸して下さい
引用:Yahoo!知恵袋
あわよくばの下心満載な間男に、控えるように忠告するにはどうすればいいのでしょうか?
引用:Yahoo!知恵袋
妻が不倫をしていました。
間男と別れないと離婚するって言ったら離婚は嫌だって言います。
でも、間男も大事ですぐ別れるのは出来ないと言います。引用:Yahoo!知恵袋
どれも妻の浮気相手を、憎しみを込めて呼称していることが分かります。
江戸時代と違って、現代は浮気相手に対する、暴力的な私的制裁は許されていません。
間男に対しては、慰謝料を請求して金銭的な制裁をするしかないわけです。
まとめ
いつの時代にも、不倫や浮気は存在します。
そして、発覚すれば、手段は違っても、制裁を受けます。
自分が間男になることも、間男に制裁を加えることも、避けたいものですね。