- 夫や妻がお酒を飲みすぎて困っている
- 注意しても逆切れされたり、その場限りの口約束で終わってしまったりする
他人であれば付き合いを減らすことで対応も可能ですが・・・
両親や身内ともなるとそう簡単に縁を切ることは難しい話です。
でも、だからといって困っている今の状態を我慢するのも大変なこと。
では、一体どうすればお酒をやめさせることができるのでしょうか?
考えていきましょう。
※※酒好き必見※※
※健康リスクが目に見える!!
アルコール依存症チェック
家族や仕事、趣味などよりも飲酒を優先させている場合には、アルコール依存症の可能性が非常に高いです。
以下はアルコール依存症(alcohol dependence syndrome)のICD-10診断ガイドラインです。
3つ以上が同時に1か月以上続いている場合はアウト。
アルコール依存症として確定されます。
過去1年間に以下の項目のうち3項目以上が同時に1ヶ月以上続いたか、または繰り返し出現した場合 1 飲酒したいという強い欲望あるいは強迫感 2 飲酒の開始、終了、あるいは飲酒量に関して行動をコントロールすることが困難 3 禁酒あるいは減酒したときの離脱症状 4 耐性の証拠 5 飲酒にかわる楽しみや興味を無視し、飲酒せざるをえない時間やその効果からの回復に要する時間が延長 6 明らかに有害な結果が起きているにもかかわらず飲酒
引用:厚生労働省HP
あなたの大事な方は何個あてはまってしまいましたか?
医療機関の受診が克服の近道
あなたの家族がアルコール依存症の疑いがあるとき、家族だけで治そうとしてはいけません。
アルコール依存症は立派な病気です。
専門医にかかることがお酒をやめさせる1番の近道なのです。
医療機関を受診すると状態によっては通院での治療が可能なこともありますが、基本的には入院を勧められることが多くなります。
入院期間の目安としては、大体2か月~3か月と言われています。
ダラダラと長く禁酒や節酒をして失敗を繰り返すよりは、早めの医療機関への受診が有効となりますね。
解毒治療
入院して最初に行われるのは解毒治療です。
断酒をすると離脱症状がおきます。
>禁酒がつらいのは何日目?【離脱症状がなくなる時期はいつだ!?】
早期離脱症状は飲酒を止めて数時間すると出現し、手や全身の震え、発汗(特に寝汗)、不眠、吐き気、嘔吐、血圧の上昇、不整脈、イライラ感、集中力の低下、幻覚(虫の幻など)、幻聴などがみられます。後期離脱症状は飲酒を止めて2~3日で出現し、幻視(見えるはずのないものが見える)、見当識障害(自分のいる場所や時間が分からなくなる)、興奮などのほかに、発熱、発汗、震えがみられることもあります。
引用:アルコール依存症ナビ
離脱症状が治まるまで、ベンゾジアゼピン系薬物というアルコールの代わりのような働きをしてくれる薬物を投薬します。
早ければ1週間ほどで治まりますが・・・
長い人では1か月以上かかってしまう人もいます。
リハビリ治療
心と身体の状態が安定して来たら、リハビリ治療にうつります。
飲酒についての考え方や行動について正しい知識を学んだり、カウンセリングを受けたりします。
期間はおよそ7週間もの長期に渡ります。
家族ができるサポート
ひとたびアルコール依存症になってしまったら、一人で断酒生活を継続することはほとんど不可能です。
家族など周囲の人のサポートが重要になってきます。
やってはいけないこと
お酒をやめてほしいと思ったときに、家族がやってはいけないことがあります。
それは「お酒が原因で起こった問題のしりぬぐいをすること」です。
具体的には、
- 飲み代のつけをはらうこと
- 外で飲んで暴れるよりはマシだから、と家で一緒にお酒を飲むこと
などが挙げられます。
これは「イネイブリング」といって飲酒を可能にし、助長する行為です。
- 「ご近所の目が気になるし・・・」
- 「人に迷惑がかかるから・・・」
と思ってついついやってしまいたくなる気持ちはわかります。
でも家族が甘やかしてしまえば、せっかく医療機関にかかっても無駄になってしまいます。
絶対にやめましょう。
治療に励む家族を信じること
アルコール依存症の治療は簡単じゃないです。
時間もかかるし、本人もとてもつらい。
お酒を飲んで暴れたり、人に迷惑をかけたりしている姿を見ていると・・・
「やっぱりこの人はだめなのかもしれない」
と思うことがあるかもしれません。
でも、お酒をやめられない本人も「心のどこかでは飲みすぎていることを自覚しているもの」です。
お酒を飲みたいがために、暴言を吐いたり、自己中心的にふるまったりしているのです。
「きっとよくなる!」と信じて一緒に治療に取り組みましょう。
まとめ
お酒をやめさせる一番の方法は・・・
医療機関にかかることです。
そして、医療機関にかかるのは早ければ早いほうがいいです。
これは本人だけでなく、家族であるあなたのためでもあります。
アルコール依存症の家族をもつと、その人に振り回されて精神的に疲れてしまうケースが多くあるからです。
本人が行く気がない場合は、かかりつけ医に紹介状を書いてもらったり、本人に影響力のある人に協力してもらったりして行かざるをえない環境を作ってしまうことです。
お医者さんのもとで、正しい知識を学び、イネイブリングをしないようにすることが大切です。