- 「マイホームは絶対に3階建てがいい!」
- 「多少、土地が狭くても3階建てにすればいいよね」
このような理想だけを抱いて土地を購入してしまうと・・・
先々後悔する可能性があります。
自分たちの土地だからといって、建てたい物を自由に建てていい訳ではありません。
購入した土地によって、建築時に様々な制限を受ける場合があるのです。
3階建の家を希望する場合、特に気を付けたいのがこちら。
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
このふたつに当てはまる土地を購入した場合、3階建の家を建てるには多くのハードルを超えなければなりません。
逆にいえば、すべての制限をクリアできれば、たとえ低層地域内だとしても3階建の家をもつことは可能だということ。
この記事では低層地域に3階建を希望する方に向け、知っておきたい基礎知識&超えるべき制限の詳細について、まとめて解説していきます。
自分たちの理想を叶えられる土地かどうか、今後の土地選び~家作りの参考にしてみてくださいね!
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低層地域とは?土地購入前に知っておきたい「用途地域」の意味
「そもそも低層地域ってなに?」という疑問を解消するために、まずは「用途地域」についてご説明していきます。
“家を建てる”という大イベントに際し、大きく関与するのが以下の2つの法律。
- 建築基準法・・・具体的な建築基準を定めた法律
- 都市計画法・・・都市の発展を推進しつつ、秩序ある街づくりを行うために定められた法律
建築基準法はなんとなくイメージしやすいですよね。
では都市計画法とはなんなのか?
これは、個人が好き勝手に開発や建設を推し進めることを制限するための法律です。
土地によって「市街化区域」や「都市計画区域」など、土地の利用方針が行政庁によって具体的に規定されています。
「用途地域」とはこの規定のうち、
- 市街化区域
- 非線引き区域
- 準都市計画区域
と呼ばれる区域を対象として、どんな建物を建てていいのかをより具体的に指定した地域のことを指します。
用途地域は大きく分けて、
- 住居系
- 商業系
- 工業系
これらの3つの土地に分類でき、さらに12種類の地域に分けられることで美しい街並みをキープしています。
住居系用途地域の中でも「低層地域」と呼ばれるエリアは、3階建ての家の建築にとって多くの制限をもたらすことになり、注意が必要な土地だといえます。
3階建の家も建築できる!ただし厳しい制限を受けるデメリットも
法律やら規定やらについて触れてきましたが、一番気になるのは
「低層地域でも3階建の家は建てられるのか?」
ですよね。
結論からいって、低層地域でも3階建の家を建てることは可能です。
ただし、すべての土地で建築可能とは言い切れないうえ、実際に3階建の家を建てるには非常に多くの制限を受けることを理解しておく必要があります。
低層地域に当たる土地を購入した場合、3階建の家の建築に関わる制限は主に以下の3つ。
- 絶対高さ制限
- 北側斜線規制
- 日影規制
さらにコスト面でのデメリットを被る可能性もあります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.絶対高さ制限
これは読んで字のごとく、建物の「高さ」を制限するものです。
低層地域に当たるエリアでは、建築物の高さが10mまたは12mを超えることはできません。
(どちらの数値が当てはまるかは土地によって異なる)
3階建の家に当てはめてみると、
- 地盤~基礎・・・0.4m前後
- 各階の階高・・・約3m × 3階建 = 約9m
- 屋根(一般的な勾配屋根)
一般的な設計の場合、この絶対高さ制限に引っかかってしまう可能性が高いといえます。
2.北側斜線規制
斜線制限とは、隣接する建物の日照条件や風通しなどを大きく妨げないよう定められた制限のことです。
基準となる地点から空へ向けて架空の斜線を引き、その斜線内におさまる範囲にしか建物を建てることができません。
北側斜線制限とは、購入した土地の北側にあたる隣接地の日照条件を確保するためのもので、低層地域ではこの制限を受けることになります。
3階部分の角がななめに削られたような外観の家は、この斜線制限をクリアするためのひとつの方法をとったケース。
理想の外観や間取りとは異なる結果になる可能性があり、低層地域で3階建の家を建てる大きなハードルのひとつです。
3.日影規制
北側斜線規制とともに、日照条件の確保を目的とする制限にあたるのが「日影規制」
これは、1年で1番日の短い冬至の日を基準とし、一定時間以上日影が生じないよう建物の高さを制限するものです。
この基準は各自治体によって差があり、測定基準が厳しい地域ほど、高い建物を建てるのが難しくなります。
この他にもさまざまな制限が設けられており、低層地域に3階建の家を建てるには多くのハードルを越える必要があります。
低層地域に2階建ての戸建てが軒を連ねているのは、こうした制限を考慮した結果だといえます。
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低層3階建の商品をもつハウスメーカーが少ない:コストがかかる場合も
多くのハードルを越えてでも低層地域に3階建の家を建設する場合、さらなるデメリットを覚悟する必要があります。
それが、コスト面の問題。
数多くあるハウスメーカーですが、特殊な条件をクリアできる3階建て商品を持っていないケースがほとんどです。
3階建の商品を前面に打ち出していたとしても、低層地域の基準をクリアする家となれば、値段が高くなることは容易に想像できますよね。
間取りや設計上の制限だけでなく、予算上の制限を受ける可能性も十分に頭に入れておく必要があります。
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第一種低層住居専用地域と第二種低層住居専用地域のちがい
ここまで低層地域として説明をしてきました。
低層地域はさらに細かく分類することができます。
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
どちらも戸建ての住居を建てられる低層地域に当たりますが、大きなちがいは店舗を建てられるかどうか。
第一種低層住居専用地域には、独立した店舗を建てることができません。
(お店や事務所を兼ねた住宅は可)
戸建てがメインとして立ち並ぶ住宅街となり、静かで整然とした街並みが美しい一方、買い物などの生活環境で不便を感じる場合もあります。
第二種低層住居専用地域とは、150㎡以下かつ2階建て以下に限り、店舗の建設が認められた地域に当たります。
- コンビニエンスストア
- クリーニング店
- 学習塾
- カフェ
など、小規模でありながら独立した店舗の建設が許可された地域であるため、第一種低層住居専用地域と比べると、生活上の利便性を感じやすい場合も。
建築物の高さ制限だけでなく、こうした違いを考慮して自分に合った土地を選ぶのも重要なポイントだといえますね。
まとめ
低層地域に3階建の家を建てるには、多くの厳しい制限があります。
制限の詳細は各自治体によって差がある場合もあるため、土地の購入を検討している場合はしっかりと確認しておくようにしましょう。
土地にこだわるのか、3階建の家にこだわるのか、間取りや外観を優先するのか・・・
希望や優先順位を自分の中で明確にすることで、どんな土地にどんな家づくりをするかがはっきりする場合もあります。
ぜひ、納得のできるステキな家作りを楽しんでくださいね♪