引用:HUNTER×HUNTER 冨樫義博
「自分が生きているうちに完結するのか?」という漫画の上位へ常に数えられている「HUNTER×HUNTER」。
待つ身は辛いものです。
イライラしたりもするものです。
そうした人達が集う時、話題は堂々巡りの議論へいきやすいもの。
そんな中から今回は、長年燻っている話題について少し見解を述べてみたいと思います。
「最強は誰だッ」
話の中にバトル要素がある以上、最強議論は避けては通れない話題なのです。
HUNTER×HUNTERには、実に様々な念能力を持つキャラクターが存在していますよね。
それぞれ一長一短、個性豊かな能力であり、議論にも華が咲くというものです。
戦闘描写上で心理戦に重きが置かれていることもあり、考察力や経験、相性などが議論の鍵となってきます。
しかし、不確定要素など消してしまえるような「最強の力」があったとしたら?
そうした視点から、2ちゃんで熱く語りつがれている最強候補。
それが作中屈指のナイスガイ、「ゴレイヌさん」なのです。
ある層からは、「ピピン生存説」と同じくらい熱い「ゴレイヌ推し」が存在しているのです。
実際のところはどうなのでしょうか?
考察してみました。
ゴレイヌさんとは?
ゴレイヌさんは作品中盤、「GI編」に登場するゴリ・・・人物。
ゲスなキャラが多いハンター世界の中で、人格的にもナイスな兄ちゃんです。
そのゴリラ似の顔からは似つかわしくない洞察力や知力に限らず、戦闘力も卓越したものを持っています。
あの「クソゲー×初見殺し」なグリードアイランドをたった一人で終盤まで攻略を進めることができたのは、後にも先にもゴレイヌさんただ一人でしょう。
途中、他のプレイヤーとの協力体制を取ったこともあるとは言っていましたが・・・それにしても偉業と言ってよいものがあります。
ルールやクリア条件を考えれば、そのままパーティを組んだ方がよかったのでは?と思えますが、ゴレイヌさんは自らの念獣がいれば、それでよかったのです。
いやいや、決して誰も仲間になってくれなかったわけではないのです。
後には、ゴンの身を案じて病院にも駆けつけてきてくれていました。
友情には厚いはずです。
まあしかし、そんなことは些細な情報なのです。
ゴレイヌさんの最強能力!
彼の真価は、古今東西、あらゆる創作物においてチートと呼べる能力にあります。
彼の能力は2体のゴリラ型念獣を具現化し、遠隔操作で操るというものです。
これは複数の系統にまたがった複雑な念能力であり、非常に高いオーラ量と技量が必要とされます。
しかし念の最強議論とは関係がないので、いったん置いておきましょう。
(念の基礎レベルが高いことの裏付けとも言えますが)
チートと呼ばれるゴレイヌさんの能力とは、テレポートのこと。
ポイント
- 白の賢人(ホワイトゴレイヌ)は、ゴレイヌと自身との位置の入れ替え
- 黒の賢人(ブラックゴレイヌ)は、他者と自身との位置の入れ替え
このうち、すさまじく凶悪な能力なのがブラックゴレイヌさん。
いわゆる通常のテレポートより、以下の点がチートたるゆえんです。
- 他人を
- 強制的に
- 指定の場所(ブラックゴレイヌさんの位置)へ
テレポートさせることができる・・・
これをチートと言わずして何と言えばよいのでしょう。
これがどういうことか、お分かりでしょうか。
テレポートといったって、ルーラなどのように町から町へ移動するわけではありません。
本来はもっと便利な、使いようによっては非常に恐ろしい能力なのです。
その現象を他者に起こすことができるのがブラックゴレイヌさん。
テレポートといえば、古来より伝わる死亡例がよく知られています。
身動きが取れず窒息してしまう土中や水中だとか、はるか上空などへのテレポート事例ですね。
ゴレイヌさんは、あれを故意に起こすことができてしまうのです。
つまり、伝統の「いしのなかにいる」状態を強制的に作り出すことが可能!?ということです。
具体的には、以下の手順です。
- 地中深くに穴を用意
- 穴の中に黒の賢人を具現化
- 他人と黒の賢人を入れ替える
- 崩す
- 即死!
とんでもなくヤバイ能力ですよね((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
超常現象や超能力としてのテレポートには、能力の効果範囲に種類があり、どこまでを1個人と認識するのかという点がポイントとなります。
作中描写を見る限り、ゴレイヌさんのテレポートでは、服まで一緒に転移していることが伺えますよね。
とすると・・・
体内の空気なども一緒に転移しているということ。
つまり、土のあった場所と入れ替えても口の中や内臓に土が入り込むということはないであろうことは推測できます。
これが実現できてしまうと、それこそ相手はなにをされたのかも分らぬうちに昇天です。
これについては実現が不可能そうで残念ですが、しかし、それでも強い!
普通に土中へテレポートされたとしても、相手は何が起こったか、一瞬で判断することはほぼ不可能といっていいでしょう。
まさに初見殺し。
また、隙さえ作ることができれば、仮に生き延びていたしてもどうにでもなります。
ただ、憶測になってしまうポイントとして、作中で明かされなかった、隠れた制約と誓約が存在している可能性が・・・
- 見えている範囲にしか具現化できない
- 見えている範囲でないと位置の入れ替えが起こらない
- 有効範囲の限界
これらについては、実行可能なレベルが、作中描写だけでは判断がつきませんね。
もし、これらの制約があったとしても、いろんな即死コンボが考えられるでしょう。
他者の強制テレポートというのはそれだけで非常に強力な能力です。
念能力の組み合わせがヤバイ!?
応用力は無限大です。
- 入れ替わった先が遥か上空だったら・・・
- 入れ替わった先に罠が仕掛けてあったら・・・
- 入れ替わった先でゴンさんが「ジャン、ケン」とかつぶやいていたら・・・
そうなんです。
他の仲間との組み合わせでいろんなことが出来うるのです。
- 180分の恋奴隷(インスタントラヴァー)など操作系でハメ
- 監獄ロック(スモーキージェイル)転移先が味方のテリトリー
- 4次元マンション(ハイドアンドシーク)転移先が念空間
こんなのされたら誰でも無力化されてしまいますよね。
特に念空間である4次元マンション(ハイドアンドシーク)への転移はロマンに溢れています。
それぞれの部屋にいろいろと罠を仕掛けておけば、と想像が膨らみます。
もちろん、視力などを奪う猿系の念獣仲間をサイユウさんに呼んでもらってもいいですね。
また、ただ殴り倒せばいいならそれこそなんだっていけるわけです。
一番相性のよさそうな「窓を開く者」(スクリーム)は空間ごと相手の体を切り裂く大技で、完璧な即死コンボとなります。
なんにしても応用力のいくらでもある最強とも言えそうな能力ですね。
そんなに都合よくいくものか
あくまで、転移後のアクションが当たればの問題です。
ヒソカ対クロロ戦を見ても分かるように、不意を突いた攻撃は非常に高い練度の念の使い手であっても回避はできません。
だからこそ読み合いが重要となるのですが・・・
この点でゴレイヌさんの念能力は、初見殺しの条件を満たしています。
王。メルエムにだって、仮に物理攻撃が効かなくとも、上で挙げたような無力化能力は効くかもしれません。
しかし一方で、ジンはレオリオによる初見の遠隔攻撃をわざとかわさなかったことを指摘されている場面があります。
ある程度の実力の差や経験があれば、不意の攻撃だって回避できてしまう可能性は0ではありません。
だとすると、これまでの前提は全て崩れてしまうことになります。
そもそもゴレイヌさん1人では、どこまでの作中人物にコンボを発動させることができるかが怪しいものです。
ゴリラの身体能力なんてものは(強化されていたとしても)、念能力の飛び交う世界では頼りにできるものではないですよね。
何せ、ゴレイヌさん自身が不意を突かれてしまえば、確実にやられてしまいます。
ホワイトゴレイヌさんと入れ替わっている暇なんてまずありません。
あるいは、存在を認識できなくさせてしまうメレオロンとゴレイヌさんが組むことができれば・・・?
まとめ|ゴレイヌさんは最強!!・・・かもしれない
うーん、なにかと応用の効く能力であることは確かなんです。
しかし、格上相手だと、どこまで通用するのかが分かりません。
ゴレイヌさんの能力はきちんと全容が解明されていません。
描かれている限りは制約も誓約もありません。
強い思い入れを持つため、ゴリラをなめたり噛んだりしなければならなかったかもしれませんが・・・
もしくは、ゴリラに似てしまう誓約を結んでしまったのかもしれません。
しかし、仮にそんな代償があったとしても、あまりにもえげつなすぎる能力です。
もっと他に、描かれていない制約や誓約、もしくは欠点があるに違いないと考えるのが普通です。
それが分からない以上は、ゴレイヌさんは、あくまで「最強かもしれない」位置に居続けるのでしょう。
誰もが実際はそんなわけないと思いながら。
それはゴレイヌさんが読者から愛されている証拠なのかもしれません。
なにせ、登場していたのはわずかな間なのです。
つまり! 要するにゴレイヌさん再登場を望む限りなのです!
冨樫先生にどん兵衛を送ればいいんでしょうか?
※連載再開時に日清から復活賞としてどん兵衛をもらった経緯があります(笑)
冨樫先生が「日清食品様に復活賞として、どん兵衛いただいたので年内にもう1回復活します<義博>」と巻末コメントを寄せていたことから、早期の再開が期待されていました。
そして、よしんば今更出てきて無事に生き残れるのでしょうか?
ああ・・・あっさりやられそうな気がしてならないです。
今のポジションがゴレイヌさんにとっては最良なのでしょうか・・・